4月初旬。 まだ社長には退社の意向を伝えていない。だが、前回のミーティングを終えた瞬間から、私の中ではすでに“次の章”が始まっていた。前回の社長とのミーティング(※前回記事「18年尽くした会社と決裂した日」参照)を終えたあと、 私はすぐに FIREが現実的に可能かどうか の計算を細かく行った。恐怖がないわけではなかった。だが、驚くほど落ち着いていた。こういう状況のとき、私の頭は完全に“臨戦状態”になる。自分の自由だけではなく、家族を守るという使命が最優先になるからだ。
■ ミーティング時点の資産状況

ポートフォリオでも紹介しているが、ミーティング時点の私の資産は以下の通りだった。
- 株式・投資信託:7,700万円
- 現金:5,200万円
- 総資産:1億2,900万円
この数字を見て、 「FIREは不可能ではない」 そう判断した。だが、私はさらに“動く”ことを選んだ。
■ 最後の現物資産を売却した

ミーティング後、私はすぐに行動した。長年大切にしてきた最後の現物資産――時計だ。
- パテック・フィリップ ノーチラス 5711
- パテック・フィリップアクアノート 5165
この2本を、合計 2,755万円 で売却した。
内訳は以下の通り。
- ノーチラス:1,820万円
- アクアノート:935万円
思い入れのある時計だったが、売却に迷いはなかった。何度も言うが、今の私は“臨戦態勢”の脳みそだ。 守るべきものの優先順位が、完全に変わった。
■ 年金・配当・妻の資産まで全て計算した

時計売却後、私はさらに細かく計算を進めた。
- 今後、未納でも受け取れる 確定している年金額
- 現在のポートフォリオから得られる 年間配当金
- 妻の資産
- 妻の年金見込み額
- 家族全体の生活費シミュレーション
- 収入ゼロ期間の耐久年数
あてにしているわけではないが、 家族全体の資産とキャッシュフローを“全て”数字に落とし込んだ。感情ではなく、数字で判断するためだ。
■ 計算した結果の「我が家の資産状況(現時点)」

以下が、整理し直した 家族全体の資産の全体像 だ。
【私の資産】
- 株式・投資信託:7,550万円
- 現金:8,000万円(時計売却額を含む)
- 年間配当:60万円
- 60歳からの確定受取年金:月10万円(年間120万円)
【妻の資産】
- 6年後に受け取る予定の相続資産:2,000万円
- 60歳からの年金:月4.7万円(年間56.4万円)
■ 合計するとどうなるか

- 現時点の総資産(私):1億5,550万円
- 年間の不労所得:236.4万円
- 6年後に加わる資産(妻):2,000万円
数字をすべて並べてみて、私は確信した。「この資産規模なら、FIREは現実的に可能だ」
■ 4月末にした理由について

4月末に退社の意向を伝えると決めた理由は、正直に言えば 直観の要素が大きい。ただし、誤解してほしくないのは、「着地の状況から逆算して決めている」ということだ。私は常に“逆算の思考”を大事にしてきた。これは18年間、会社の数字を扱い続けてきた中で身についた、 いわば 生存戦略そのもの だ。今回も同じだ。
- 退社後の生活
- 資産の推移
- 家族の安全
- 次のステップ
- 社長への伝え方とタイミング
- 会社側の動きの予測
これらをすべて逆算したうえで、 最終的に 直観を優先した。感覚としては 6:4。6がロジック、4が直観。普段の私は 9:1でロジック寄り だが、 今回は“人生の分岐点”だからこそ、 直観の声を無視しなかった。
■ 妻の反応について

そして、もうひとつ大きいのは 妻の存在 だ。妻は、今回の決断に 100%賛成してくれている。これは本当に大きい。なぜなら、 私が今回の決断を下せた背景には、 13年間積み重ねてきた「信頼貯金」 があるからだ。
- 嘘をつかない
- 家族を最優先にする
- 判断の理由を必ず説明する
- どんな状況でも逃げない
- 生活を守るために動き続ける
こうした積み重ねが、 今回の“100%の賛成”につながっている。妻が不安を口にしなかったのは、 私の資産でも、 私の肩書でもなく、私という人間を信じてくれているからだ。これは、何よりも大きい支えになっている。
■ 4月末、すべてを伝える

この記事を書いている今、 私はまだ社長に退社の意向を伝えていない。だが、4月末には必ず伝える。18年間の感謝も、 今回の決裂の理由も、 そして、これからの人生を自分で選ぶという決意も。すべてを話すつもりだ。


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